健全なエステティック事業の実現に。JEiA『第13回通常総会』

一般社団法人日本エステティック工業会(JEiA/瀧川晃一理事長)は5月29日、東京・台東区の浅草ビューホテルで『第13回通常総会』を開催した。

 瀧川理事長があいさつに立ち、まずエステティック業界について「人手不足の深刻化しており、成り手も減少している。以前はエステティシャンになりたいという声はよく聞こえていたが、最近はなくなっている。これは業界そのものの評価が低下したのではないかと感じている」と話し始める。
そうした中、限りなく健康で美しくありたいという女性の心理に対して、新しい技術、機器など、そうしたイノベーションに取り組むチャンスはたくさんあると考えるという。「女性が驚き、サロンに行ってみたいと思えるような商品を作っていかなければならない。同時に安心、安全、満足が肝心」
また「当工業会のメンバーは業界を代表する企業の皆さんが結成している。したがってわれわれがリーダーシップをとり、エステティック業界の繁栄のために、大きな影響力を作っていく、ということはある」というが、ただ消費者は、エステティックに敷居の高さを感じている節があるとも述べる。「売上げの関係で、契約を熱心にオススメすることもあるが、初めて来たお客さまに対しては契約の話は置いておき、限られた時間の中で心身ともにしっかりとサービスをする。そのうえで他メニューやサービス、コースを知っていただくことが重要ではないか。やはり最初に強いプレッシャーをかけるのはよろしくない。今の契約を否定しているのではなく、お客さまが納得する形ということ。そうして潜在的なお客さまを掘り起こしていきたい」
業界のレベルアップを誘導するのは日本エステティック機構。一段とハードルを上げてリードしてもらうことを期待しているそうで、「そうして一歩ずつ階段を上る気持ちで取り組んでいきたい。技術だけでなくイノベーション。新しい業界作りを考えている」と述べた。

 

正会員37社のうち出席25社、委任状12社で本総会が成立する旨が述べられると、議案審議に移り、第1号議案 2018年度事業報告承認の件、第2号議案 2018年度収支計算報告および貸借対照表並びに財産目録承認の件、第3号議案 監査報告承認の件、第4号議案 2019年度事業計画(案)承認の件、第5号議案 2019収支予算(案)承認の件が報告され、すべて賛成多数で可決承認された。

2019年度事業計画(案)の中では、健全なエステティック事業の実現に尽力すると述べ、美容ライト脱毛エステティシャン教育養成制度の実施計画において、多くのエステティック事業者および技術者等の参加を得て「安全」「安心」な美容ライト脱毛施術の普及に努力するという。
さらに美容ライト機器適合審査の新規申請を促進。当期は10機種以上の申請を確保し、累計50機種以上を市場に流通することを目指す。また特定非営利活動法人日本エステティック機構のエステティックサロン認証およびエステティック機器認証の事業の拡大に積極的に協力する、としている。

引き続いて、経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 課長補佐の山本宣行氏の講師に招き、記念講演となった。『生涯現役社会構築に向けたヘルスケア産業の政策について』をテーマに、ヘルスケア産業政策の基本理念や「健康経営」の普及促進、そしてイノベーション支援策などが語られた。

 この後、懇親会が催され、瀧川理事長は「エステティックを愛する皆さんとともに、これから取り組んでいきたいと思うが、力強いご支援をお願いしたいと思っている」とあいさつ。親睦を深めた。