2018年度アリミノ方針発表会・東京

コアサービスを再構築

(株)アリミノ(田尾大介社長)は4月10日、全国有力代理店の幹部社員に向けた『2018年度アリミノ方針発表会・東京』を東京・渋谷区の恵比寿ザ・ガーデンホールで開催した。2018年度の営業方針は、『サロンの本来価値を強化する。コアサービスの再構築』。人生100年時代が近づきつつあり、美容師は今後ライフビューティデザイナーとして本来の根幹サービスを深め拡げる必要があるとして、サロンをコアサービスの再構築と人材教育の両面からサポートしていくという。コアサービスの再構築とはネイル、エステ、ヘッドスパなどの付加価値サービスを伸ばすのではなく、美容本来のカット・カラー・パーマ技術・メニューを深め拡げて、その価値を高めること。

冒頭、あいさつに立った田尾社長は「2018年のテーマは“yell”。美容室の本業部分の元になる技術強化のお手伝いができるのは我々だけと信じて、美容室の思いを聞きながらこの難しい環境をどうしたらベストな活動ができるのかを考え、一緒に汗をかきながら行動していく」と述べた。昨年度売上実績については「101%と増収したものの目標には未達であり、営業としては厳しい結果となった。しかし、新製品については順調に推移した1年だった。“mint”は対前年比10%増、昨年9月に発売開始した“color story ADMIO”は1万件の導入、今年2月発売の“ARIMINO men”は2カ月で1億円の出荷ができ、導入件数も7000件を越え、順調なスタートを切っている。メンズ製品に関してこれまで積極的に発売したことがなかったが、メンズ市場に対して少しお役に立っているのではないかと思う。これからもさらに成長させていきたい」と昨年度を総括した。

2018年度営業戦略について、佐藤泰基常務執行役員営業本部長が発表した。生活者の変化として⑴ネット情報は迷いも生んでいる(どの情報が良いサービス・物なのかわからない) ⑵生涯ビューティ現役時代(髪だけでなく、体内も健康で美しくあり続けたい) ⑶(業務用製品も)安心・安全なものを使ってほしいと思っているという3点を挙げ、「今後は生活の中での課題解決がより重要になり、人の気持ちを理解する力が必要になってくる。この力をつけた美容師がライフビューティデザイナーとなって活躍していくものと思われる」と述べた。

技術メニューをより価値あるものにするために、次の3つの切り口で提案していくという。

  1. ヘアカラー:安心、安全なヘアカラー提案。『ゼロテクニック』アンバサダー認定プログラムを推進し、認定証を発行
  2. パーマ:サロンスタッフの階層別に、各種トレーニングプログラムを用意(ウエーブの他、ストレートパーマ、ホットパーマなどあらゆるパーマをサポート)
  3. メンズブランド:先行のスタイリング剤に加え、ヘアケア剤とサプリメントを投入(今後、超人口減少化となるため、男性客の集客が課題。集客と客単価アップを図る)

人材教育については、つぎの提案を行なう。

  1. 講師によるトレーニングプログラム:例年より増やした。とくにカラー、パーマそれぞれのメニューで、カットから最後のアプローチまで連動させて習得できるプログラムを用意
  2. その道のエキスパートによる講習カリキュラム:皮膚科、生体やエステ、ホスピタリティ、コミュニケーションなど
  3. 顧客のアプローチに重きを置いた販促展開:お客さまにアプローチできるHOW TO動画の配信強化、インスタグラムなどによる情報発信、サロン集客サイトのタイアッププロモーションなどを実施
  4. チャレンジできる場の提供:フューチャーズロード デザインパワー、デザイナーズデザイン、フォトプレゼンテーションなど

そのほか、『ジオマーケティング』によるエリア顧客診断を活用して、サロンの顧客獲得や売上アップのためにいろいろなアクションを起こしていく。

そのほか、『ジオマーケティング』によるエリア顧客診断を活用して、サロンの顧客獲得や売上アップのためにいろいろなアクションを起こしていく。

2018年度新製品については、商品開発部の小林泰子部長が発表。業務サービスの本来価値を深める側面から、“color story ADMIO”にsienna(温かみのあるブラウン系全5色)を追加発売する(9月5日予定)。ストレートパーマブランド“QUOLINE”が、ホット系カールにも対応できるようリニューアルする(4月4日)。新たなビューティ価値創造を拡げる新製品として、ARIMINO menからヘアケア&インナーケア製品4アイテム(全6品)を発売(6月6日)。夏限定製品“mint”シリーズは、2018年限定の香りとパッケージでリニューアル発売(4月4日)。

休憩を挟んで、特別講演が行なわれた。最初にSNIPS カラーデザイナーの小熊滋さんが「タイムマネージメントからストレスマネージメントへ」と題して講演。次に「見えない価値こそ生産性につながる」をテーマに、MINXworld取締役の菅野久幸さんが講演を行なった。