第66回 藝美会「全国理容学術会議 京都令和学会」開催

全日本藝美会総本部(西浦騎鶴会長)は、9月30日京都市南区の都ホテル京都八条に於いて、“令和元年『理容』を考える! 変わる時代、守る文化!”「第66回全国理容学術会議 京都令和学会(高瀬博浩実行委員長)」を開催した。

開会式は、開会宣言の後、高瀬実行委員長より「令和の時代となり私たちの理容を見つめ直そうというテーマのもとに開催する」とあいさつ。続いて西浦大会委員長は、「私たちは、理容が文化である。理容師は文化人である。文化としての理容をこれから続けていくことこそ、令和時代の理容の価値だと思う」とあいさつした。

次いで来賓を代表し日理・有馬公明社長(代読)、クラシエホームプロダクツ販売・行武久幸常務、タカラベルモント・岡戸信彦理容統括部長より祝辞が述べられた後、北尾誠祥同会教育部長より学術会議指針が述べられ基調講演に移った。

基調講演第1部は、笹岡隆甫氏(未生流笹岡家元)により「いけばなが創る美と文化」をテーマに行なわれ、「あるお婆ちゃん先生は、花を処分するとき、必ず和紙や半紙で包んで、日本酒で清めて手を合わせる。これは凄く大切なことで、傷んだ花、折れた花を捨てることは簡単だが、その美しさを見せてくれた花に対して、有難うという気持ちと想いをしっかり持つこと。そして花を供養すること。これが花を美しくいけること以上に大事なこと。単に花を美しくいけるということだけに、心を奪われてはいけない」との言葉は、参加者の共感を得るには充分であった。

日本酒造りには欠かせない杜氏は殆どいない。後継者不足というよりも『後継者不在』の状態である」と人材不足を語る。また「日本酒は昭和48年がピーク。毎年落ち続けて当時の三分の一、7割減というと厳しい現状」を述べ、同社では、食品原料を開発し菓子作りメーカーやゲームメーカーとコラボしたり、機会を使ったお酒の開発と企業努力を重ねている。人材不足、オフシーズン、そして空き時間、理容・美容サロンにもあてはまるキーワード。個々のサロンが将来に向け、更に真剣に考えなければならない問題といえよう。

続いて高瀬実行委員長をコーディネーターとして、西浦大会委員長、大野悦司氏、佐々木晃氏により「理容の文化」を語ろう」をテーマにシンポジウムを行なわれた後、中島秀則学術審議委員の学術会議講評、吉村 優副実行委員長の閉会の辞で令和学会を終了した。次回は、静岡県藝美会担当で2020年9月7日に開催される予定。