MGKが『第10回毛髪科学研究発表会』および『特別基礎講座』を開催

毛髪科学技術者協会(MGK/代表幹事:小林均司、上島浩一、岡野みのる)は2月25日、東京・文京区の東京ガーデンパレスで『第10回毛髪科学研究発表会』および、第10回を記念した『特別基礎講座』を開催した。

冒頭、上島代表幹事は「今回は平成最後、そして第10回の記念回ということで、特別基礎講座、また特別発表を始めとした研究発表が行なわれる。どれも興味深いもの。今日が有意義なものになることを祈念する」とあいさつした。

さっそく行なわれた『特別基礎講座』では、椙山女学園大学 生活科学部 生活環境デザイン学校の上甲恭平教授を講師に招聘。「染色現象は“自然”に起こる現象である-自然に起こるための条件と染色系を構成する成分の役割と働き-」と題しての講演となった。
服にシミがついているように、色素が染まる(染色)減少は、“自然の法則”にしたがって起こる現象。では自然に起こるために満たさなければならない条件とは何か。また自然に起こる過程で染色系を構成している成分分子が、それぞれどのような役割を担っているのか。とくに身近な“水”分子について、役割とその動きについて解説された。

その後、『第10回毛髪科学研究発表会』に移ると、9つの研究が発表され、どれも活発な質問が挙がっていた。

『第10回毛髪科学研究発表会』の内容は以下のとおり。
◇特別研究発表 IFSCCポスター発表部門最優秀賞「髪の未来予測」
株式会社ミルボン 開発本部 中央研究所 永見恵子氏

◇「触感覚を計測できる代替技術の提案」
信州大学 バイオ材料・計測工学 研究部門 藤井敏弘氏

◇「新規毛包検査技術の開発:スキンブロッティングの応用」
東京大学大学院医学系研究科 社会連携スキンケアサイエンス 峰松健夫氏

◇「毛髪における視覚と触感の関連性」
タカラベルモント株式会社 ルベル事業部 化粧品研究開発部 第一研究所 青池広樹氏

◇「細い毛髪をしっかりセット・長時間維持できるヘアワックスの技術開発」
株式会社マンダム 技術開発センター 橋本佳和氏

◇「各種還元剤の毛髪内拡散挙動」
東京家政大学 家政学部 服飾美術学科 葛原亜起夫氏

◇「アントシアニン色素の安定化反応を利用する白髪用ヘアカラーリング」
産業技術短期大学 情報処理工学科 井上真琴氏

◇「毛髪の物理エージングによる曲げ物理の変化挙動」
椙山女学園大学 生活科学部生活環境デザイン学科 上甲恭平氏

◇「ブリーチ剤によるメラニン顆粒の分解および微細構造への作用パターン」
ホーユー株式会社 総合研究所 今井健仁氏