MFU「第82回ファッションマーケティング研究会」を開く


日本メンズファッション協会(八木原保理事長/MFU)は8月25日、「第82回ファッションマーケティング研究会」(セミナー)を東京・渋谷区の原宿の杜 ルアール東郷で開催した。オンライン配信を行ない、会場とオンラインをあわせて100名が聴講した。

テーマは「大正時代、洒落者のナリと遊び~花街で遊ぶ着物(なり)でお座敷の世界へご案内~」。講師は、柘恭三郎氏(株式会社柘製作所会長)が務めた。浅草生まれの柘講師は粋に着物を着こなし、お座敷遊びや洒落者のなりについて話した。いなせな着物の着こなし方、腰回りの扇子や根付、煙草入れなどを解説。下駄や雪駄の解説では、江戸っ子はかっこよさ(粋)を追求するあまり、履きにくくても見栄を張って我慢しながらちいさなものを履く、と江戸っ子と上方の好みの違いなども交えて話した。

  お座敷遊びで芸者衆に心付けを渡すときは祝儀袋に入れるとのことで、小さければ小さいほど粋だという。花街での粋な振る舞いや、大正時代から昭和10年頃までの世相を紹介。千社札についても、解説した。千社札は神社や仏閣に参拝した記念として貼るほか、名刺代わりでもある。それぞれ意匠を凝らして誂えている。また、米国のオレゴン州立大学図書館が所蔵する千社札のコレクションを、写真で披露した。

柘 恭三郎(つげ きょうざぶろう/株式会社柘製作所会長)氏プロフィール
1946 年東京浅草生れ。創業85年のパイプメ ーカー柘製作所、創業者の柘恭一郎の三男。アジアで唯一「パイプの騎士」(PIPE KNIGHT)の称号を与えられている。CIPC(国際パイプクラブ連盟)副会長、日本パイプクラブ連盟理事、日本根付研究会理事、国際根付研究会会員、国際パイプアカデミー会員、パイプコンフェリ(フランス)会員等、国際的にも活躍。テレビ「何でも鑑定団」で喫煙具を鑑定。自著に「浅草下町職人モノ語り」がある。