今後注目される『ソシオエステティック』、 第12回エステティック学術会議で

公益財団法人日本エステティック研究財団(関東裕美理事長/東邦大学医療センター大森病院皮膚科臨床教授)は9月10日、東京・のTFTビル906研修室で『第12回エステティック学術会議』(大森利夫会頭/同財団常務理事、全理連理事長)を開催した。後援は厚生労働省。

今回のテーマは『きれいを手に入れるトータルケア~サービス業の社会貢献について考える~』。

大森会頭は仏・パリで行なわれている世界大会に同行しているため欠席となったが、今会議に向けてメッセージを記し、テーマについても次のように述べている。

『現在、わが国では高齢化が急速に進み、在宅高齢者などの要援護者に対応した優しい社会の実現が急務となっています。政府は、健康長寿社会の実現に向けてさまざまな政策を推進しており、人々の美と健康を創造するエステティック業かいにも、より豊かで明るい社会の実現に向けた取り組みが求められています。~中略~福祉とエステティックとの結びつきやソシオエステの実例、今後の方向性を模索して現代日本にマッチしたエステティックの可能性を探ります。』

さっそく本会に移ると、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課 主査の鈴木裕里氏が基調講演。理容業・美容業における動向や、近年の規制緩和などを説明。続いて関東裕美 同研究財団理事長が、芝山みよか記念教育講演として、厚生労働科学研究費補助金事業「エステティックの施術による身体への危害についての原因究明及び衛生管理に関する研究」で、毎年調査研究を継続している、エステティック営業施設の衛生環境の向上及び健康被害の防止について、その結果を報告した。

次いで久米健市 一般社団法人日本エステティック協会理事長の特別講演では、ソシオエステティックについて紹介された。それによると、『人道的・福祉的観点から精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている人に対し、医療や福祉の知識に基づいて、プロフェッショナルのチームの一員として行なう、総合的なエステティック』であり、これからは訪問理美容との協働も期待されるという。

その後を引き継ぐように、石巻赤十字病院 ブレストセンターのソシオエステティシャンである瀬戸真由美氏が、『ソシオエステティック』の効用を述べる。現場に基づいた非常に興味深い内容で、今後の可能性を示す講演となった。

基調講演
「理容業・美容業に関する厚生労働省施策の現状について」
鈴木裕里氏 厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課 主査

芝山みよか記念教育講演
「安心・安全なエステティック」~厚生労働科学研究結果報告
関東裕美氏 公益財団法人日本エステティック研究財団 理事長/東邦大学医療センター大森病院皮膚科臨床教授

特別講演
「ソシオエステティックの概要」
久米健市氏 一般社団法人日本エステティック協会 理事長

特別講演
「ソシオエステティックにおける施術の効用」
瀬戸真由美氏 石巻赤十字病院 ブレストセンター ソシオエステティシャン